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2020-10-15
山中に桂を探して、甘い香りとの出会い

南京は典型的な亜熱帯モンスーン気候で、明確別れた四季がある。 しかし南京の秋は毎年早足で過ぎ去る。 秋雨の後、朝晩の寒さが強まり、草木は乾燥し黄色くなっていく。 人々はまだ夏の暑さ疲れが抜けていない中、突然秋日は寒さを増していく。 そんな足早な秋の中、秋を強く印象づけてくれるのが空気中に漂う桂花の香りである。

 

南京の秋と桂花は切っても切れない関係で、 嗅ぐ、賞する、食すと3つの事柄で強く結びついている。 桂花が咲き誇る頃、街のあちこちでは秋の風景が広がり、その中でも様々な桂花の美食が人々を更に魅了する。

 

千年霊谷寺、万株桂花

南京の東部郊外の鐘山風景区は、数多くの桂花が植樹された場所で、2万株以上、40種類もの桂花が植えられ、その多くが霊谷寺の“桂園”の中にあり、その数は17000株を超える。 品種も多く、金色の花を持つ一般的なものから、銀色や紅色など様々な種類がある。

霊谷寺は天監十三年(514年)に、当時の梁武帝が僧侶宝志禅師を記念して建造が始まった“開善精舎”が元になっており、当初は“開善寺”という名前で、明朝時代に朱元璋が自ら“霊谷禅寺”と改名した。 霊谷寺での桂花の植樹の歴史は長く、中国南宋時代(1127年-1279年)に始まり、すでに700年位上の歴史がある。  霊谷寺で桂花鑑賞の目玉は最長寿の樹である“桂花王”と桂花隧道である。

 

“金陵桂花王”

無梁殿は現存する唯一の明朝建築物で、石組みアーチ構造で、柱を使わないため、俗称“無梁殿”と呼ばれている。 一切梁や柱を使わない石組みアーチ式の建物は当時一般的であった中国古建築の柱梁組み方式を一変させた。また石組み構造であった為、幾度の戦火をくぐり抜け現在にその姿を残す事となった。 名高い“桂花王”は無梁殿の北側の草地にあり、樹齢は100年以上、幹の直径は1メートル、高さ6メートル、樹冠は7メートルを超える驚くべき大きさとなっている。 毎年桂花の開花時時期になると沢山の人が香りを楽しみにやってくる。

 

桂花隧道

この桂花隧道は出来た過程そのものから非常に面白く、霊谷寺内に植えられた他の背の高い大型植物に比べて、桂花は背が低いため、日光を求めて幹を曲げ大樹の隙間へと伸びていき、年月を経て桂花同士が互いに折り重なるように曲がり自然の隧道が形作られた。 隧道状になっている為、香りが外に逃げにくく、観光客の人気の散歩道となっている。

 

盛大な花事

毎年9月末から10月頭にかけて霊谷寺景区では“桂花節”が行われる。 期間内では桂花鑑賞、猜灯謎(提灯に吊るされた短冊に書かれたなぞなぞを解く遊び)や霊谷素食、桂花食品などがある伝統的なイベントである。 また、環境保護の為の公益キャンペーンなど人気である。

 

 

甘い秋

南京の秋は桂花の甘味がたっぷりつまっている。 甘いものが好きな人々は様々な桂花関連のスイーツを前にして、食べ始めたら停まらないのではと危惧する。 南京ではいくつもの地元桂花グルメがあり、桂花の鑑賞時期を終えた後で出始める。 桂花の香りと甘味が鼻や舌先を通じ、体だの中を満たしていく。

 

桂花糖芋苗(桂花芋煮)

桂花糖芋苗を調理する際は少し重曹が用いられる。 それにより芋の赤みがまし食欲を更にそそる色となる。 里芋を柔らかくなるまで煮込み、甘いスープの中にいれて作られる。レンコンからつくったデンプンを加えることで濃厚で滑らかな口当たりとなる。

おすすめ店:南京大牌档

 

桂花糕 (蒸しお菓子)

中国伝統的な甘味の多くは油と砂糖が多く使用されている為、食べていると少し重たい場合が多い。 しかしこの桂花ケーキは食材本来の味をいかし、余計なものは一切含まれない。 歯が悪い老人にも食べやすく、一切れのケーキとお茶があれば、それだけで十分である。

おすすめ店:蓮湖糕団店

 

桂花蜜汁藕(桂花ソースレンコン )

もち米とレンコンに桂花ソースを使い、ナツメを加えて作られる。一口食べるとレンコンの爽やかな甘味と、程よい噛みごたえがあり、レンコンの穴に隠れているもち米に、レンコンの爽やかな香りと甘い香りを十分に染み込んでいる多くの人に愛されるこの料理は南京のストリートフードの四大料理の一つに選ばれている。

おすすめ店:南京第一氷糖蜜汁藕