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2021-06-25
歴史感たっぷりの南京明城牆を探索

初夏の南京へ旅する際、明城牆のまわりを一周してみると、ヒマラヤ杉が城壁と同じ位の高さにあり、見上げてみると、改めて人間の小ささを実感できます。レンガをを触れてみると、明朝(1368年―1644年)から現在にわたる歴史感が伝わってきます。

 

·明城墙をご存じですか?

 

16世紀中に3回も南京へ来たイタリアの宣教師マテオ・リッチ氏は『この都市は世界中のどの都市よりも優れている』と話していた。彼は南京地元の人々が語った物語を『中国札記』でこう綴った。「城壁に沿って二人が逆方向へ向かって歩くと一日かかってやっとあえるのだから、南京明城牆の規模が想像できますね」。

南京明城牆は世界で最も長く、規模が最大級、保存が完全なままの古代の城壁であり、現在では25.1キロ保存されています。南京明城牆は1366年に建てられ、1393年に竣工し、27年もの月日がかかり、28万人の出稼ぎ農民、約3.5億個のレンガで宫城、皇城(皇居)、京城(都)、城廓外部に四重の城壁を建てました。あれから百年もの月日が経ち、宫城、皇城(皇居)、城廓外部の三重の城壁はすでに破損し、唯一、京城の壁が依然と立っています。我々が見ることができる「南京明城牆」はその遺存された京城牆です。

明城牆の特徴

1. 地理的優勢を用いた建築

南京明城牆はありがちな正方形や長方形の城壁とは違い、南京の山脈や水の流れの方向に沿って城を建てています。南の秦淮河は天然の護城河(城の外回りにある堀)であり、東には紫金山、北には湖、西には丘陵があり、防御力が高い軍事要塞となりました。

 

2. “龙吐水”(龍が水を吐く)

“龙吐水”とは、南京明城牆が山と隣り合わせして建てられ、暴風雨により雨水が大量に溜まっても、城壁の排水システムで外に排水できるようになっている独特な噴水シーンの事です。

その排水システムがなければ、城壁の中に溜まった水は排出できず、水圧は城壁をぶっ倒し、決壊する。

 

3. 城壁の銘文

推定によると、南京明城牆はトータルで数億個に及ぶレンガから建てられ、中国各地から運ばれてきました。レンガのクオリティを保証するため、当時の朝廷では、レンガを運ぶ労働者や責任者にはレンガに名を残すように要求した。名を残した人間は皆殺される可能性がありました。

 

明城牆を観光する

 

1.東北エリア(和平門【原神策門】—玄武門—台城—九華山—太平門)

チケット:30元

オープン時間:8:30—17:00

お勧め観光地:玄武湖、鶏鳴寺、九華山

 

2.東エリア(富貴山—中山門—標営門—藍旗街)

チケット:10元

オープン時間:8:30—17:00

お勧め観光地:南京博物院、後半山園、琵琶湖、月牙湖

 

3.南エリア(東水関—武定門—中華門—集慶門—西水関)

チケット:50元

オープン時間:8:30—20:00(17:00以降は中華門の北門のみオープン)

お勧め観光地:夫子廟秦淮風光帯(白鷺洲、老門東等)

 

4.西エリア(漢中門—清涼門—国防園—石頭城)

チケット:無料

オープン時間:24時間

お勧め観光地:烏龍潭公園、国防園、清涼山、古林公園

 

5.西北エリア(定淮門—挹江門—儀鳳門—獅子山)

チケット:無料

オープン時間:24時間

お勧め観光地:渡江勝利紀念碑、小桃園、八字山公園、繡球公園、閲江楼、静海寺、天妃宮

 

6.北エリア(鐘阜路—中央門)

チケット:無料

オープン時間:24時間

 

 散策しながら南京明城牆を楽しむには二日間くらいかかるかもしれません。今回は最も代表的な東北エリアをご紹介したいと思います。——和平門(元神策門)—玄武門—台城—九華山—太平門のコースです。城壁からこのコースを散策すると南京代表的な観光地や都市全貌を見る事ができます。また、歩道からこのコースを散策すると、木陰がたくさんあり、夏でも涼しく感じます。

 神策門は神策門公園內にあり、玄武湖北門からもさほど遠くありません。神策門は南京でわずか4つしかない、明朝時代の城門の1つであり、南京で唯一保留している民国前の鏑楼(城壁に建てられ、城楼の防御を強めるために用いられる。)でもあります。

 チケットを購入したら神策門を登ります。少し進むと玄武門や南京台城(明城垣史博物館)が見えます。台城に立つと玄武湖の美しい景色を目の当たりにできます。

 古い城壁に立ってみると、閑静な雞鳴寺や四塔、ユースオリンピックのロゴ、南京最高の建物である紫峰ビルを見ることができます。

 城壁の真ん中部分にはアンティークな“台城書房(本屋)”があります。入り口は城壁にあり、ここではお茶を飲みながら読書し、古琴を聞き、書道を学べることができます。ここでのひと休憩は本当に心地よいです。

 少し前へ進むと九華山が見えます。南京九華山はかつで六朝(呉、東晋、宋・斉・梁・陳の総称)皇室の御苑あり、今では物寂しい雰囲気が感じられます。山上には未だに玄奘寺、三藏塔が残っており、塔内の蓮華座の下には玄奘法师の頭頂骨舎利が隠されています。

 初夏の南京へ旅する際、明城牆のまわりを一周してみると、ヒマラヤ杉が城壁と同じ位の高さにあり、見上げてみると、改めて人間の小ささを実感できます。レンガをを触れてみると、明朝から現在にわたる歴史感が伝わってきます。