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2021-06-03
湖林、山村に隠れた「芸術教室」 -四方現代美術館

此処は南京郊外にある秘境、観光客だけでは無く、地元の人も知らない人が多い場所だが、実は世界的に建築と芸術業界では有名で、世界各地から沢山の建築家や芸術家がここに集まる。四方現代芸術湖区は、湖林と山村に隠れた「芸術教室」となっており。訪れた人に隠された宝物を見つけた様な驚きと感動を与えてくれる。


 

四方現代芸術湖区には、「中国国際建築芸術実践展」という別名があり、ここの建物はすべてが「展示品」となっている。2003年には世界15カ国から著名な建築家24人が訪れ、抽選で場所を決め「野離れ」体験を行った。彼らは「バランス再構築(Balance-rebuilding)」というテーマで創作活動を行い、

プリツカー賞「建築界のノーベル」や他の国際建築賞を受賞した著名な建築者達が、独自の建築言語で「バランス」を解釈し作品を作り上げた。一軒一軒の建物は山間と水辺に位置し、自然の一角に溶け込むように創られ、自生自長しているように見える。


四方現代美術館

四方現代美術館は四方現代芸術湖区の主要な見どころで、アメリカの雑誌『TIMES』にて「アメリカ最高のデザイナー」と評されたスティーヴン・ホール(Steven Holl)氏によってデザインされた。この美術館は中国建築特有の回廊式のデザインを採用し、建築の主体部分が大きな空間になっている。空中に浮遊するベランダからは南京全体を眺めることができる。外見は不規則な幾何体が用いられ美術館に対する保守的な印象を打ち破っている.

美術館では様々なテーマの展覧会が定期的に行われており、オラファー・エリアソン、村上隆、アンゼルム・キーファーなど国際的な舞台で活躍している現代アーティストの作品が含まれ、多くの芸術家や芸術愛好家を引きつけている。

 

四方現代美術館以外にも、湖の周りなどで、不思議な建築物が発見することができる。これらの建築物は中国、日本、フィンランド、イギリスなど15カ国からの建築家の作品である。それぞれが建築家の考えを反映した作品になっている。

 

»三合宅(San-He Residence)

「三合」とは、三面を囲み、一面を開放する建築様式の事で、建築家である王業氏は部屋の中に一つの方池を配置し睡蓮を植え、緋鯉が往来する、中式の庭園の境地を開拓した。真四角の池は真ん中から二つに分かれ、この中央線の端末に、天を突く大木を配置し、木と建物を一体として設計し、家の3面を囲み、完全に閉鎖しない事で開放感と安全感のバランスを保っている。

 

»舟泊 (Boat House)

舟泊は、山奥の林に停泊している巨大な船をイメージして創られている。主にバーケーションの為に使われる別荘である。フィンランドの二人のデザイナーが色、線、船をイメージし、建物全体にストーリー性を与え創られた。緑の青銅の壁は、背後の山林と完全に融合している。


»六間(Six - Room)

「折り畳み」という特徴を持つこの建物は、芸術家の艾未未氏によって創られ、すべての家具等が折り畳むことが出来るように設計されている。ソファー、ベッド、料理台等には柄や輪があり、取り外しや折り畳み可能で、持ち歩くことが出来るようになっている。 現代人の移動ニーズを考え、「家」の定義がもっと柔軟になるべきだというコンセプトで創らえた作品。また、「六間」は、建築内の空間のそれぞれ違う光源設計がされており、1日の違う時間帯に、それぞれの空間に異なる自然光源を考慮し豊かに変化させている。


»流動空間(A Circle of Interaction)

「流動空間」は、水面に浮かび出る白い環状半島の造形で、軽やかで流動感を演出している。「流動空間」は日本の著名建築家である、妹島和世氏が中国で初めて創作した作品。この建物を建造するあたり、非常に精密な日本工芸が必要であった。妹島和世氏の建築は非常に厳密で、材料の選択に対しても非常に細かく厳しい要求がり、妥協を許さなかった。


»堡塁(Block House)

「堡塁」は名前のおつり、真四角で堅固な堡塁をイメージした外観で、壁にある孔眼のデザインも堡塁の弾穴のように見える。地表面の形状からの影響を軽減するため、建築家の張雷氏500平方メートルの建築体を5つの立方体に分け四層に重ね、高さは周りの木の梢と同じように設計した。もっと巧妙な点は、建物の中央に設計された寝室で、山林を地肌に感じながらプライベート空間を楽しむことが出来るようになっている。

 

都市の喧騒から離れて、芸術と建築空間の美しさに浸る事のできる四方現代芸術湖区では、建築家達が魂をこめて創造された作品が、きらきらと光る魂を実際に持っている事を感じられる。