中国と日本の交流といえば、中国唐・宋時代の多くの使節や僧侶の交流活動がよく知られているが、 実際、1862年に日本の使節団が上海に到着して以来、ますます多くの日本人が中国の大地に足を踏み入れています。その中には普通の人も有名な文学者もたくさんいます。その中で、19世紀の終わりから20世紀の初めにかけて南京を訪れた日本人の学者がどのように南京という都市を描写しましたか。今の南京の風景は前世紀と比べればどのように変わりましたか？
一.夫子廟文星閣（魁星閣）
「河幅は十間そこそこだらふか、両岸の家が低いので可成りそれを幅広に見せてゐる。左手に六角三層の建物がある。福禄寿のあたまのような屋頂の宝輪が見れる。これは文星閣と言って夫子廟の附属建物だが、写真のレンズによく這入る奴で最も秦滙気分を発揮してゐるのである。この文星閣を前景として上手ほど好き川添ひに、南畫のような家並みが見れ、凸字形の城壁が化粧瓦を戴いてあちこちの屋根の間に聳ゑ立つ。その後ろには苔蒸した城壁のギザギザが夢見るようにとりまいて遥か向ふに紫金山が悠々とけむってゐる。これだけ見てももう何とも言われぬ。」
—井上紅梅「秦滙畫舫録」
日本人の作家井上紅梅は1921年に南京へ引っ越しました。南京での長い時間の生活で、彼はこの都市に特別な気持ちを持っています。彼から見ると、秦淮河のほとりにそびえている文星閣（魁星閣）は秦淮の雰囲気を最もよく反映している建物です。文星閣に登ると、絵のような南京の景色を満喫することができます。
魁星閣の勢いは今でも変わっていません。南京の夫子廟のランドマーク的な建物の1つとして、秦淮風景のセンターに凛々と立っており、夫子廟古代建築の中の代表的な史跡になっています。中国の昔話では、「魁星」は文化の運を支配する神です。そのため、古代から現在まで、多くの学生にとって、魁星閣は行かなければならない聖地です。秦淮河のほとりの明かりが灯る夜、魁星閣は何年も前と同じように月明かりの下で輝いています。そして、魁星閣の周りには、秦淮の味をよく表した風景や人々を今でも見ることができます。
二.霊古寺
「霊谷寺の古典的な禅味を知らんには、少くもここに一泊して、飽くまで閑寂な鐘山の風月、夢の如くに明滅する禅院の孤燈に、旅情を超脱し、人間を離却せねばならぬ。」
—常盤大定「南京の懐古」
日本人の学者の常盤大成は霊谷寺の禅意を憧れていました。今でも、霊谷寺の奥深い禅意は変わっていないです。「天下一の禅の寺」として知られる霊谷寺に足を踏み入れると、あの静寂によって喧騒から離れされ、煩悩と雑念から解放されることができます。今の霊谷寺は宿泊施設を提供できなくなったが、そこには中国での最も古くて最も大きな梁のない寺院があり、霊谷塔に登ると鐘山の風景を見ることができます。夏夜のホタル、秋のモクセイと楓、いつでも食べたい美味しい素麺…それらに隠された禅意を今でも味わうことができます。
三.石頭城
「水西門を入り、さらに北の方漢西門を出て、秦淮に沿いて城壁沿いに行くこと一里斗、平鏡碼頭の邊は、呉孫権が築いた古の石頭城の一部である。城は自然の峭壁を削りて成り、所々に少しく煉瓦を補ふ。其状は痘痕満面の巨人を見るが如し、故に俗に称して鬼臉城を称す。」
ー宇野哲人「南京の名勝」
中国哲学の研究者である宇野哲人は南京に旅行し、遊記を書き留めました。「石頭城」は、実際に南京の別名です。彼の書いたこの「鬼臉城」はかつて中国東呉という国の最初の軍事要塞でした。伝説によると、三国時代に魏軍が東呉を攻撃したとき、途中で、この「鬼臉城」を見て慌てて逃げました。そのためこの巨大な石は大きな貢献をしました。今、昔の「石頭城」は石頭城遺跡公園に変わらないです。城壁を登り、ゆっくり歩くと、レンガ職人の名前がレンガに刻まれていることに驚くかもしれないです。遠い風景を眺めて、一方は険しい城壁で、一方は美しい大自然です。大自然の風景を楽しみながら、昔の歴史を知ることもできます。人々に静かで美しい情緒を与えます。
日本人の学者の描写から、きっと南京という都市の新たな一面を発見することができると思います。機会があれば、ぜひ南京に来て、自分の目で見て、体験してくださいね。
