「秦淮灯彩甲天下」(秦淮の灯の彩りは天下一)と言うように、もし南京を訪れたなら南京のいちばん伝統的な迎春民俗――秦淮河灯会を見逃すわけにはいかない。孔子廟秦淮灯会は南朝時代に始まった。中国で最も長く続いてきた、最大の参列者数・規模を誇る民間灯会だ。灯会ではランタンを売る市が瞻園路から数百メートルにわたって続く。露店や屋台が一つ一つ順に並び、ランタンを見る人々でごった返し、街全体に温かさと穏やかさを添えている。
灯会のランタンはすべてその年の干支で統一されている。今年の孔子廟大成殿では可愛らしいウサギが大きな干支の守護神に姿を変える。また、老門東景区内では中国風やマンガテイスト、SF風など、通りに沿って30あまりのテーマによるウサギの飾り付けが施されている。ランタンを掲げた人々の間を行き来しながら、きらきらと光を反射する秦淮河に映る河畔の建築群や水面で生き生きと揺れるランタンを眺めよう。川沿いの人々の笑い声や歓声、あるいは大きな銅鑼や太鼓の音でにぎわう民俗模様に耳を傾けるのもいいだろう。ほかにも、通りに沿って歩き、熱々の南京の味を試してみよう。正真正銘の金陵の新年の雰囲気があなたの心の内に留まり続けること間違いなしだ。