初夏の夜風は些か蒸し暑さを含んで、南京秦淮河の水面を優しく撫でていきます。こういう時、秦淮河を行き来する遊覧船や画舫は人々が思いを馳せる憧れとなります。
「泛舟秦淮(秦淮河で船を浮かべる)」は西晋より始まり、明時代に一時盛んになります。時代が大きく変わるが、秦淮河の画舫は衰えることありません。今では、画舫に乗って秦淮河で船遊びするのが、既に夫子廟観光の目玉になっています。夕陽の光を浴びながら、数多くの画舫が行ったり来たりして、訪れてくる夜の幕開けをしようとします。ゆらゆらと揺れながら進んでいく画舫について、夫子廟周辺のより多くの建物が見られます。美しい恋物語を生み出した桃葉渡、「秦淮寓客」と自称する呉敬梓及び彼の旧居、よく守られている両岸の古河房、来燕橋・朱雀橋等の古代遺跡…これらの多種多彩な建築物が共に最も華やかで、最も忘れがたい秦淮河の一部を成り立たせます。さあ、画舫に乗って、物静かさと輝かしさの中で、秦淮河ならではのロマンを満喫しましょう。
写真提供:知恵夫子廟、秦淮文旅