四月、穏やかな春の日、景色も明るい。三月のひんやりとした寒さも和らぎ、南京の四月は常に暖かくてやさしい。のどかな日差し、軽やかな風、舞う花畑、ゆらゆらと揺れる草、舞い上がる凧などが、軽いリズムで春の雰囲気を演出している。暇ができたら、屋外に出て、この躍動感あふれる音符に出会い、純粋な自然の音に耳を傾けてみよう。
オズの魔法使いの秘境ー鐘山体育公園
東郊の紫金山の麓に位置し、南京体育学院に隣接する鐘山体育公園は、民国中央体育場の跡地であり、スポーツと自然景観、歴史・文化の伝承が融合したものである。緑の芝生に覆われている広大な敷地に、たっぷりの日差しが降り注いでおり、爽やかな草の香りがどこまでも広がっている。水の流れで繋いている池、緑豊かな山と水が互いを引き立て合い、遠くから眺めると郊外の草原に匹敵するほどの美しさである。春になると、皆はここでテントやハンモックを張り、芝生の上を思う存分走り回り、雲に舞う凧を眺めながら、光合成によって心身をゆっくりと癒していくのである。
トトロの秘境ー石臼湖草海
緑も深い青葉の頃、溧水石臼湖張許村の先には、湖底から伸びた草の海がある。渇水期に当たる石臼湖の春草は、干潟から野蛮に一面の緑に育った。宮崎駿の漫画の扉を開けて「トトロの秘境」にたどり着いたように、ここでは現実世界とおとぎ話が重ねているのである。青々とした草が自由に伸び、風にそよそよと揺れ、まるで青々とした果てしない絵画のようである。
素足で草むらに入り、足首まで沈めると、草の柔らかさがトトロのお腹に飛びついたような感じ。風が通り過ぎると、草に痕跡を残し、まるでわざわざ挨拶してくるようである。
仲間と一緒に緑一面の干潟を思う存分走り回り、心身ともにリラックスさせ、自然の恵みを感じながら、四月のおとぎ話の世界を堪能しよう。
あぜ道に花が咲く――三葉夢華苑
南京から南70キロメートルにある鳳栖山の麓に、世に隠れた村がある。それは溧水の三葉夢華苑である。三葉夢華苑は春の花と秋の景色を特徴とするレジャー・観光のテーマパークであり、総面積は約500ムー、夢蝶湖、岩石園、バラ園、オランダ園、桜園、追夢園、浣花渓など様々なエリアに分かれている。庭園では、西洋風の庭園と中国の伝統的な庭園の美を同時に楽しむことができ、二つのスタイルが夢華苑で融合し、共生している。
ここは多種多様な植物が茂り、東屋や楼閣、湖が点在し、まるで仙郷に身を置いているようである。ピンク色の桜や垂糸海棠が一面に広がりとてもロマンチック。美しく咲き乱れるチューリップも魅力的。また、ユリ、貝母、フリージア、ヒヤシンスという10種類以上の高級球根植物があまねく分布し、まさに春爛漫である。南風に撫でられ、あぜ道にはもう花が咲き誇っている。夢華苑に来て春の花と美しくデートしよう。